ソフィア都筑 園芸通信 4月号
ソフィア都筑3階ベランダでは、ジャガイモの種芋植え付けを行いました。
種芋を買って来たら、すぐに植え付けを行うわけではありません。
「ジャガイモはね。まず、半分に切るのよね。それでなんだっけ……。そうそう、灰をつけるの。えっ、なんで詳しいかって?そりゃあ、子供の時にたくさんやったもの。」
ジャガイモを半分に切って、切り口に灰を付ける。切って、付ける。切って、付ける。
手際よく進めていきます。下準備は完成です。それを一日天日干しします。
さて、次の日。
ベランダに集まった利用者さん達は、下準備の済んだジャガイモと野菜栽培用プランターを見ると、「じゃあ、始めてもいいのかしら?」と植え付けを始めます。
「イモ同士の間隔、それじゃ狭いわよ。多い分は少しそっちに回したら?」
「そうね。こんな感じでいいかしら。」
「被せる土は少なくない?」
「こんなもんで、大丈夫よ。あぁ、あんまり土を強く叩いたら芽が出なくなるわよ。」
「じゃあ、仕上げに水をあげましょうね。あ、そっちの水やりはよろしく。利用者さん同士で賑やかにワイワイ言いながら、作業はドンドン進んでいき、あっという間に植え付け終了しました。
「近所の畑でジャガイモを作っていてねぇ。たくさん収穫できた時には、近所に配ってたの!」
「私は疎開先が田舎でしたから、よく見ていましたよ。そうそう灰を付けた切り口を下にして、土を被せる。懐かしいですね。」
「冷蔵庫にイモが余っててねぇ。何の気なしで家のベランダに植えてみたら、みるみる育ってビックリしたわよ。水のやりすぎもダメなのよね。」
その後も各々の懐かしい話とアドバイスは止まりません。
「さぁ、芋ほりが楽しみね。」
「これだけあれば、10㎏はできるわよ。」
「どう料理しようかしらねぇ。」
普段は座って過ごされる時間が長くなってしまう方もいますが、この時ばかりは皆さん意欲たっぷりで園芸作業を行いながら、思い出話と調理計画に花を咲かせていました。
ジャガイモ収穫も賑やかになりそうです。
園芸を通して、普段聞くことのできない利用者さん同士の話を多く聞くことができました。昔の懐かしいことを思い出して、語り合い、コミュニケーションをとることは、脳を活性すると同時に安心感を生み出し、不安や孤独感を軽減し、認知症予防に効果があると言われています。
さらに高齢者とコミュニケーションをとることは、介護者への効果も期待されていています。高齢者の個性や歴史、生活の一端を知ることができ、それをケアに活かすことで、介護負担軽減に繋げることができるとの報告もあります。
回想しながら、お話をしてみてはいかがでしょうか。なにか新しい発見があるかもしれません。
OT・O本